Round.1 Australian GP

今回のオーストラリアは、とても面白いレースだった。
レースウィークは波乱に満ちていて、金曜はウィリアムズのギアボックストラブル、土曜は予選でのK.ライコネンのQ2敗退やS.ベッテルのQ3進出、そして日曜のレースでは 予期しない展開がいくつもあった。そんな今シーズンの開幕戦を振り返ってみよう。


まず、McLaren Mercedes。
L.ハミルトン が数度のペースカーにもかかわらず、着実なリードとピットタイミングの幸運もあって見事に Pole-to-Win を飾って見せた。
対照的に、H.コバライネン は最後に二度も運に見放された。1度目は2回目のピットタイミング、2度目はアロンソオーバーテイクした直後のスローダウン*1。2位に値するレースをしていただけに非常に残念であるが、これは不可抗力によるものでしょうがない。マレーシアでの活躍に期待したい。
また、今回のレースで H.コバライネン が見せたパフォーマンスに感激した。スタート直後にF.マッサをクリーンに押さえきり、レース中盤ではK.ライコネンとのブレーキングバトルでノックアウトさせた…その勝負強さは素晴らしかった。


次に、フェラーリ
本当にグダグダなレースだった。K.ライコネンは H.コバライネンに敗れた以外にも、ブレーキングミスでスピンアウトしたり…と精彩を欠いたレースだった。
それにしても、今回ダブルリタイヤの原因となった Ferrari 056 エンジンはライバルと比べて失敗作なのではないかと思う。
2年前の鈴鹿で M.シューマッハからチャンピオンへの望みを断ち切ったのもこのエンジンだし、2007年シーズンもMercedesやBMW, Renaultがほとんどエンジントラブルがなかったにもかかわらず、フェラーリは数回交換していたように思う。
予想以上の高温下でのレースになったことで、クーリング不足があったのかもしれないが、ほかのメーカーには起こっていないのを考えるとチームにとってアキレス腱になるかもしれない。


BMW Sauber F1。
プレシーズンテストで不調がささやかれていたにもかかわらず、短い間にここまで調子を戻してきたあたりに、このチームの底力を感じた。この勢いでいけるのであれば、去年よりも確実にトップ2にシーズンを通じて迫れるのではないかと思う。


Toro Rosso。
S.ベッテル と S.ブルデー。心から素晴らしいドライバーだと思った。ベッテルは2年落ちのマシンでQ3まで残って見せ、ブルデーはレースでのペースも戦略も本当に素晴らしいものだった。
ブルデーは残念ながら2ポイントだけになってしまったが、それ以上のインパクトを与えたことだろう。
ベッテルは、今回の予選を見てて思ったのは、昨シーズンの日本GPや中国GPのような厳しい条件でマシンのポテンシャルを引き出すのに優れたドライバーなのではないかと思う。今回も土曜は風の影響でミスするドライバーが多い中で上手くマシンを引き出せたのだと思う。
この2人の今シーズンが楽しみであるとともに、もっと競争力のあるマシンに乗せたらどうなるのか…。

*1:プレスリリース "McLaren Formula 1 – Official Website"によれば、『I accidentally hit the pit lane speed limiter button』ということらしい。