Round.10 Germany GP
今回のホッケンハイムは L.ハミルトンのベストレースだった。ファステストラップは逃したものの、混乱した戦略にもかかわらずポール・トゥ・ウィンを達成して見せた。
また、N.ピケ Jr は難しい状況をチャンスに変え、見事に下位グリッドから2位を掴み取って見せた。
そんな見ごたえのあったドイツGPを振り返ってみたい。
マクラーレン
今回も、2人のドライバーで明暗が分かれる結果になった。
L.ハミルトンは圧倒的なペースでレースを支配して、後半 マッサ、N.ピケ Jrとのトップ争いにも勝って勝利を手にした。
対して H.コバライネンは 予選は悪くなかったものの、レースペースではマッサにすら付いていけず、ピット戦略の差で N.ハイドフェルド や N.ピケ Jr とのタイム勝負に敗れて5位という結果だった。
いつになったら、フライングフィンは目覚めるのか。それとも目覚めないままなのか…。彼が不運に見舞われているのは間違いないが、彼のレースペースにも十分問題がある。来シーズンのシートをこのチームに確保するためには、今の結果は不十分だろう。次に期待したい。
さて 最後に戦略について。今回のセーフティーカー時にハミルトンを入れなかったことについて、必ずしも判断ミスとはいえないと思う。
もし、L.ハミルトン と H.コバライネンを同時にピットに入れた場合、ハミルトンは ピットストップを行わなかった N.ピケ Jr、ハイドフェルドの次で隊列に戻っただろう。そして、ハイドフェルドは後でピットストップすることになるから、N.ピケ Jr をオーバーテイクすれば結果的に1位になれた。
対して、H.コバライネンは L.ハミルトンの作業分を待たされることで タイムロスをして隊列の後方(おそらく その時点での同一周回の最後尾あたり)に復帰することになっただろう。K.ライコネンはそこから F2008 のストレートライン・スピードの伸びを活かして6位まで回復したが、H.コバライネンのオーバーテイクに対する思い切りのなさを考えると、同様のポジション回復は難しいように思う。そうなれば、コンストラクターズ・ポイントでのトップとの差を縮めることはできなかっただろう。
とはいえ、メルセデス側の人間が ましてホームGPで優勝よりもポイントを優先するとは思えないが。