Round.6 Monaco GP
今年のモンテカルロは、後世に語り継がれるレースだった。
路面は2時間のあいだにウェット、ヘビーウェット、ハーフウェット、ドライを移り変わり、
状況も刻々と変わっていった。
そんな中、L.ハミルトンとマクラーレン・メルセデスのコンビは、見事に勝利を掴み取った。
それにしても、序盤に彼が見せたタバココーナーでのミスの後、誰が優勝できると思っただろう。
レース中盤までおとなしく3位を走っていたが、
路面がハーフウェットになった頃から、マシンのパフォーマンスを引き出してピットストップに入ったマッサとクビサを抜き返し、
さらに毎ラップ2〜3秒後続を引き離して、自分の最終ストップに必要なアドバンテージをも築き上げた走りは素晴らしかった。
対して、H.コバライネンの戦略はいかがなものだったのかと思う。
ピットスタートになり、遅いクルマに付き合わされることが明白にもかかわらず、レース中盤までひたすら前のクルマが脱落するのを待つレースをするほか無かった。
序盤に再給油して、L.ハミルトン(ハミルトンも再給油しているが)よりも後にピットインするくらいにしても良かったと思う。
コバライネンもプラクティスの調子を見る限り、ハミルトンとスピードは互角だったから、少なくとも8位より上でゴールできただろう。
スタート時のトラブルとあわせて非常に残念である。
最後に、A.スーティル。
悔やんでも悔やみきれないレース。でも、この難しいサーキット、難しいコンディションで強力なパフォーマンスを見せ付けた。
最近、フィジケラのガンバリが目立っていたが、今回の活躍で再び注目を集めることだろう。
マシン的にテールエンダーなのは否定できないが、またこういうコンディションでの活躍を期待したい。
あと、このチームは、昨年のニュルブルクリンクでのビンケルホックといい、レインへの適応力が高いことも確認できた。