F-Nipponを見て思ったこと。

今日の午後 F-Nipponの生中継を見ていて、レースは面白かったんだけど物足りなさを感じて、自分なりにそれがなんなのか考えてみた。


例えば、GP2 と F-Nipponはカテゴリー的に近いわけですが、

GP2の場合

  1. ドライバーはF1予備軍。そのうち 1/3は テストドライバーかジュニアプログラムのドライバー
  2. マシン・エンジン・タイヤはワンメイク
  3. レースの多くは F1 と同日開催
  4. レース運営は F1 並みの高水準

1. ドライバー

1.は GP2の魅力をかなり高めていると思う。GP2が始まった2005年から3年連続でチャンピオンは F1のレギュラードライバーになっているし、チャンピオンでなくてもほかのどのカテゴリーよりもレギュラードライバーになっている。
テストドライバーの速さや上手さを計ることができるのは、一つの大きな魅力だと思う。
F-Nipponは年々 F1との距離が遠くなっていってる。
このF-Nipponになってからでも、初期の頃 R.シューマッハや P.デラロサ, 中野信二, 高木虎之介がステップアップしたくらいで、その後は、2002年にチャンピオンになった R.ファーマンと 2006年に Super Aguri F1 のオールジャパン要員としての井出有治, 山本左近くらい。
2006年全日本F3チャンピオンの A.スーティルは F-Nipponすっ飛ばしてスパイカーのレギュラードライバーになったし、かなりポジショニングが微妙になってきている。

2. マシン

2. にあるとおり、GP2は基本的に全車一緒なので、セットアップ能力とドライバーの能力がすべて。
F-Nipponはエンジンだけ Toyota / Honda を選択できるようになっていて、それ以外は一緒。ただし、F-Nipponは各チームにエアロダイナミクスを含めたマシン改良の余地が残されている。
今日見ていて思ったのは、サイドポンツーン。
今回のレースでのマシン http://www.f-nippon.co.jp/race/racereport.php?rd=2;p=3 と 昨シーズンのマシン File:Lola B0651.jpg - Wikimedia Commons の開口部を比べてほしい。両方ともカラーリングこそ異なるものの、マシンは同じ。さらに言えば 同じチーム。
結局のところ、ワンメイクといいつつもマシンをモディファイできる資金力と開発力をもったチームが有利なレースであることは間違いない。

GP2の場合 基本的に空力関連の改良は認められていないし、SuperGTの場合 同じマシンであっても性能差があれば直ちに性能調整が行われ、可能な限りイコールコンディションを保つシリーズ運営がされている。

GP2のようにセットアップ能力の差で差がつくのはまだしも、ワンメイクのシリーズにもかかわらず開発能力で差がつくというのもおかしな話である。

3. レース

3. GP2はF1の前座レースとして行われる都合上、F1のヨーロッパラウンドのほとんどのサーキットで行われる。
つまり、同じサーキットで2ラウンド行われることがないし、
モナコをはじめ、事前テストができないサーキットも多く、一発勝負に対する強さも問われる。


F-Nipponは

  • 鈴鹿:3戦
  • 富士:2戦
  • もてぎ:2戦
  • 岡山とSUGO:1戦ずつ


ユニークじゃないし、ぜんぜん面白くない。
しかも、ほとんど事前テストがあったりして、どんでん返しはまずない。

サーキットの観客数や盛り上がりも SuperGTのそれに遠く及ばないのは、どうかと思う。


例えば、2007年にCARTシリーズを誘致しようとしていた(502 Bad Gateway)小樽で市街地レースをするとか、かつて鈴鹿より前にF1を誘致しようとしていた みなとみらい21 や お台場で市街地レースをやってもいいと思う。
ほとんど国際格式のレースの行われない四国や沖縄でやってみるのも面白いかもしれない。

というのも、一般の人にとってモータースポーツは、オーバーテイクシーンを除けばサーキットをグルグル回るだけのスポーツにしか見えないらしい。
確かに最近のモータースポーツはピット戦略とか直感的でない要素が増えているから仕方がない。
ただ、地上波でのテレビ放映すらなくなった今、モータスポーツのすごさや迫力を感じてもらうには、

  • 生で見てもらう
  • 市街地レースなど生活感があるところでレースを行う


のが一番だと思う。

一般の人にとって、ドライバーが誰だろうと大差はないだろうし、マシンが F1 でも F-Nippon でもさほど変わらないだろう。
現に、私の同僚は F1もクルマもさほど興味ないにもかかわらず、日本GP には2年連続でいったりしている。

つまり、ファンや観客に近づく努力が必要だと思う。

4. 運営

今日見ていてヒドイとおもったのは、オフィシャルがセーフティーカーを導入したタイミングは良かったものの、
セーフティーカーが従えるマシンがトップのマシンではなく、周回遅れのマシンだったこと。
さらに、そのことにセーフティーカー解除する直前まで気づかずに、そのドライバーのレースを台無しにしたこと。

見ていて非常に残念だし、スポーツとして誤審で結果が左右されるという最悪の結果を生んでいるわけで、
もっとレース運営をきちんとしてもらいたいと思う。