Rd.9 Canadian GP

今年もモントリオールは荒れた展開のレースとなった。スタートからチェッカーまで全く気の抜けないレースだった。また、今回はミシュランにとって通算100勝目のかかったレースでもあった。そんなカナダGPを振り返ってみたい。

まずマクラーレンメルセデス。彼らの最近のパフォーマンス伸びはここでも明らかだった。初日から常に上位につけ、ルノーフェラーリにほぼ追いつきつつあることを証明してみせた。特にライコネンは最終的な結果では3位だったものの、レース序盤からアロンソを追い続け、ピットストップで逆転する可能性もあったし、このレースのファステストラップを刻んでいるだけの速さもあった。それだけに希望を打ち砕いたクラッチトラブルは残念である。対して、モントーヤには今回もがっかりした。アグレッシブさが彼の持ち味なのかもしれないが、ロズベルグとの一件は彼に非があると見られてもやむをえないような無謀なオーバーテイクだったように思う。そして結局、そのアクシデントの影響でマシンバランスを崩して最終シケインのウォールにクラッシュしてリタイヤという結末…。ウィリアムズ時代の彼はもっと上等なドライビングをしていたように思えたのだが…。次回は彼がCART時代にインディ500で優勝した地でもある。これまでにない活躍を期待したい。

次にルノーフィジケラがスタートミスで1・2フィニッシュの夢は打ち砕かれたものの、最終的に1・4フィニッシュとして、ミシュランに100勝目をプレゼントするとともに、チャンピオンシップでもわずかであるが確実に差を広げた。特にアロンソは序盤ライコネンに迫られることはあったが、その後は着実にまったく危なげないレースだった。これでスペインから4連勝で、今シーズン6勝目。M.シューマッハに続いて2人目のシーズン二ケタ勝利も十分射程圏に入ってきた。さて一体どうなるのか楽しみである。

トヨタトゥルーリが初ポイント。おめでとう。

ホンダは今回も予選グリッドより前でフィニッシュすることができなかった。今シーズン何度目だろうか、そしてそれはバトンのファステストラップがトロロッソと同等という状況からも深刻さが覗える。回彼の前でフィニッシュし1ポイントを獲ったクルサードは最後尾スタートで、しかもバトンと同じ2ストップという厳しい現実にホンダは早急に対応しなければならない。チーム内のゴタゴタをやっている場合ではないのだ。