Rd.8 British GP

今回のイギリスGPは、久々にアロンソライコネン、M.シューマッハの三つ巴による接近戦だった。

まず、レースは完全にルノーがまだ速さの点で一日の長があることを証明したように思う。アロンソは序盤こそライコネンを引き離せなかったものの、最初のピットストップ近くになると徐々にギャップを広げ、ピットストップ後は完全に独走状態にしていった。フィジケラも3位には手が届かなかったもの、マッサをピットストップで抜いて、3位争いに加わったのは十分といえるだろう。
そしてフェラーリルノーほどの速さはなかった。M.シューマッハは2回目のピットストップ前後のラップでタイムを稼いでライコネンを追い抜くことはできたが、アロンソにはまったく迫れなかった。ファステストラップからもそれがいえると思う。

対して、マクラーレンメルセデスは思ったよりもコンペティティブではなかった。予選こそライコネンの素晴らしいパフォーマンスでフロントローに入ったものの、ルノー勢との燃料搭載量の差を考えると、まだまだ速さが足りないといえると思う。ファステストラップでもアロンソやM.シューマッハから0.5〜0.9秒引き離されていることからも明らかである。ただ、ニュルブルクリンクやカタロニアで全くルノーフェラーリに歯が立たなかったのと比べると、今回のようなフツーの中高速サーキットでそこそこ戦えたのはポジティブな結果といえる。

ホンダとトヨタには散々な週末だった。ホンダはバトンが予選で散々だった挙句、序盤にエンジントラブルでリタイヤになって、バリチェロはいつも通りラップタイムが伸びずにズルズルと順位を落としていく始末。トヨタトゥルーリが予選をトラブルで棒に振って、レール結果にも大きく影響することになり、一方のラルフは予選は良かったものの、スタートを失敗したのか早々に後方グリッドからスタートしたマシンと交錯してリタイヤするという結果だった。特にトヨタモナコから導入した期待のニューバージョン、TF106Bのポテンシャルを完全に発揮できずにいるのが残念である。

最後に。今回のレースは各チームの性能差をよく反映したレース結果になったと思う。ルノーフェラーリを一歩リードし、マクラーレンメルセデスフェラーリに近づきつつある。トップ3チームから少しはなれたところにBMWとウィリアムズ、ホンダ、トヨタがいて、この4チームの競争力はサーキットの特性に大きく左右されるといったところである。今回はBMWがこの中堅4チームの中で一番良かったということだろう。チャンピオンシップ争いもさることながら、この中堅4チームのコンストラクターズ4位以下の争いも面白いかもしれない。